愛知県民じゃなくても愛知県でパスポートがつくれる!パスポートの居所申請とは?

まずは次の条文をご覧ください。

旅券法3条1項(抜粋)

  • 一般旅券(パスポート)の発給を受けようとする者は、国内においては都道府県に出頭の上都道府県知事を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館に出頭の上領事官に提出して、一般旅券の発給を申請しなければならない。


続いて次の条文です。

旅券法2条5項

  • 都道府県 本邦から一般旅券によって外国に渡航する者の住所又は居所の所在地を管轄する都道府県をいう。


冒頭から難しい文章を読んでいただきましたが、何が言いたかったのかというと、パスポート申請について定めている旅券法で言うところの都道府県とは、申請人の住所に加えて居所を管轄する都道府県であるということです。

もっと分かりやすく言うと、パスポート申請においては住民登録をしていなくても、住んでいればその住んでいる都道府県において手続きをすることができるということです。

これを居所申請と呼んだりします。

しかし、この居所申請はクリアしなければならない条件が設けられており、誰でも絶対にできるというわけではありません。

もし居所申請ができるのであれば、最寄りの窓口でパスポート申請をすることができることになり手続きが非常に楽になりますので、ぜひこのページでご確認してみてください。

そもそも居所とはどのような場所なのか?

住所とは、民法で「各人の生活の本拠をその者の住所とする」と定められており、通常、住民登録をして住民票を請求することができる場所のことになります。

では、居所とは具体的にどのような場所になるのでしょうか?

居所とは、「個人の生活の本拠ではないがある程度の期間継続して居住する場所」と言い換えることができます。

例えば、単身赴任している会社員の赴任地における一時的な生活居住の場所について住民票を移していなければ、その場所は居所と表現することができます。

居所の判断は難しい!?

住所は公的な証明書である住民票で確認することができますが、居所を確認する公的な制度は存在していません。

ですから、住所を確認することに比べて居所を確認することは難しいと考えられます。

事実、昔は原則として住所申請とされ、居所申請は限定的に認められているだけでした。

なぜ居所申請が認められているのか?

では、なぜ現在は居所申請が認められているのでしょうか?

それは、時代の変化とともに国内外からの人の移動が活発になり、人々の居住関係が複層的なものになってきたからです。

申請人の便宜を重視するためと言い換えることができるでしょう。

しかし、冒頭で述べたとおり、居所申請が認められるようになったとはいえ、誰でもできるというわけではありません。

どのような人が居所申請ができるのか、これからご紹介していきます。

居所申請の対象となる方

居所申請が認められている方は次のとおりです。

  1. 学生または生徒  通学する教育機関が居住する市町村内にある方
  2. 長期出張者等   勤務する会社等が居住する市町村内にある方
  3. 一時帰国者   愛知県内に居所がある方
  4. 船員       寄港地上陸の船員である方、愛知県内に居所(停泊地等)がある方


居所がある市町村と通学先、勤務先のある市町村が異なると居所申請が認められませんので注意が必要です。

代理申請はできない!

居所申請の場合、代理申請は認められておらず、必ず本人が窓口に出向いてすべての手続きを行わなければなりません。

居所申請に必要な書類

居所申請では、通常のパスポート申請に必要な書類に加えて、以下の書類を追加で提出する必要があります。

  1. 居所申請申出書
  2. 居所を証明する資料


居所を証明する資料

居所を証明する資料は、その人の身分によってことなりますので、それぞれ確認していきます。

学生または生徒

  1. 教育機関の所在地の記載がある学生証


万が一、学生証に教育機関の所在地の記載がない場合は、学生証に加えて次の中から1点持参するようにしてください。

  • 居所に郵送された本人宛の6か月以内の消印のある郵便物
  • 公共料金等の請求書(居所宛のもの)で6か月以内のもの
  • 居所の賃貸契約書の写し
  • 家主等が証明者となった居所証明書

長期出張者等

次のうちから1点持参してください。

  1. 居所証明書
  2. 勤務する会社等の所在地の記載がある身分証明書


万が一、身分証明書に勤務先の所在地の記載がない場合は、身分証明書に加えて次の中から1点持参してください。

  • 居所に郵送された本人宛の6か月以内の消印のある郵便物
  • 公共料金等の請求書(居所宛のもの)で6か月以内のもの
  • 居所の賃貸契約書の写し

一時帰国者

一時帰国者であることが確認できる、次の書類のうちから1点が必要です。

  • 有効中のビザまたは再入国許可のあるパスポート
  • 外国人登録証
  • 永住許可書
  • その他、在留国政府が滞在を許可することを証明する公文書

船員

以下の2点が必要となります。

  1. 船員手帳
  2. 居所を証明する書類(次のうちから1点)
    • 居所(停泊地)証明書
      (船名・船長名・停泊場所・期間等が明記され、船長の記名・押印又は署名のあるもの)
    • 所属会社などの証明書
      (申請者氏名・所属会社等の名称・連絡先・居所での居住期間及び居所が明記され、所属会社の押印のあるもの)

まとめ

いかがでしたか?

居所申請では通学先、勤務先が居所と同じ市町村内にないといけないという点は盲点となり得ますし、意外に高いハードルになってしまうかもしれません。

ちなみに居所申請ができないという場合は、居所においてパスポートに関する手続きができないだけであって、住民票を居所へ移すことで居所申請ができるようになる方もいらっしゃるでしょうし、そもそも住民登録がされている地元であれば問題無く手続きをすることができますのでお間違いなく。

なお、居所申請は必ず本人が手続きを行わなければなりませんので、代行業務の対象となっておりません。

あらかじめご了承ください。